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我が家の日常330

伯父が急死してしまった。闘病中だったので、”いつかは・・・”という思いはあったが、急すぎた。
差し入れ持って、お見舞いを~と計画していたのに、間に合わなかった。以前お見舞いに行ったときは、”ひとくちおつまみセット”を作り、食べたいものだけ食べてもらう~という方式にした。病院では出そうもないものばかりを持って行ったのだ。

今回は、珍しく地物の白魚が手に入ったので、”お見舞いに持って行こう”と半分冷凍しておいたのだ。昔は地元の川でたくさん捕れたので、白魚の踊り食いや白魚の炊き込みご飯や卵とじや天ぷらなどなどと、春を告げる魚として、よく食べたものだ。
お見舞いの日を3月20日とし、行きたがっていたウチのチーフと一緒に、こっそりビックリさせようと計画していた。その日はまたまた”ひとくちおつまみセット”を持って行くつもりだった。
”白魚の卵とじと~。魚の煮付けがいいかなあ?アオサもシーズンだから、白魚とアオサの卵とじにするか!牡蠣のシーズンだから牡蠣も持って行ってあげたいけど、生はまずいわなあ。薄味の時雨煮にしてみるかな?焼き牡蠣にレモンもシンプルでいいか~”などと計画していた。

なのに・・・間に合わなかった。


優しい伯父だった。自分のことより、人のことばかり心配している人だった。
いつも畑にいた。毎日畑の手入れをしていた。

闘病は一年くらいだったけど、あっという間に畑は雑草だらけになり、荒れてしまった。私も畑をしているからわかるが、畑はこまめな手入れが必要なんだ。荒れていく畑を見ていると、悲しかった。
まだ畑には、おじさんが残したニンジンやジャガイモやネギが雑草の中に埋もれながらも残っている。
納棺の時、”畑のニンジンやネギを入れてもらおうかしらん?”と、ふと思ったが、火葬の時に料理のようなにおいになっても困るだろうと思い、やめた。

最期には、家族皆に見守られ、さほど苦しまずに逝ったようなので、それだけはよかったと思う。


私としては、お見舞いが間に合わず、初物の白魚を食べさせられなかったのが残念だ。初物を食べると10日寿命が延びるというから、ぜひ食べさせてあげたかったのだが。

冷凍庫の白魚を見ると、心残りがあるので、気になって仕方ない。
調理して、おじさんの家族に食べてもらうことにした。


「これさあ、お見舞いの時に持って行くはずだった白魚なんさ。心残りがあるから気になって仕方ないんよ。食べたってくれん?」
「ありがとう。お供えしていただくわ」
「いや、お供えは別にしなくてもいいけどさ」
「お供えしなきゃ、意味ないやん?(笑)」
「目の前で家族が食べてたら、食べに来るやろ~」

これで私もスッキリした。

”代わりに家族に食べてもらうからね。おじさんも一緒に食べてね”と心の中で呟いた。   合掌



by tamaki50 | 2018-03-14 13:44 | 我が家の日常 | Comments(0)
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