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診療室日記476


高齢者の多い田舎では、患者も高齢者が多い。今日は同級生のお父さんがやって来た。

「あんたはウチの〇〇と同級生やったかなあ?」
「ううん。△△ちゃんと同級生なんさ。〇〇ちゃんより1つ下」
毎回聞かれている。
「そうかな。そうかな。何回聞いても忘れてしまうんさな」何回も聞いているとわかっている分、軽症だ。
「大事なことだけ覚えてればええわさ」
「何べん聞いてもすぐ忘れるんさな~。ますます忘れっぽくなった」
「ええことだけ覚えといたらええわさ。悪いことは忘れときゃいい(笑)」
「ええことも忘れるんさな」
「そっか~。じゃ、ええことは何度も覚え直せばええわさ」
「事故してから、特になんさな。事故してな、病院に母ちゃんと娘二人が来て、『もう免許証返しな!』って、女三人に言われてなぁ。返してしもたら、不便でかなわん」
「そっか~。女三人には勝てんわな(笑)。でもま、みんな心配しとるんやに」
「でもな、不便でなあ。病院行くのも娘に頼まなあかんし」
「娘でよかったやん。娘二人なら言いやすいし、気いよく行ってくれるやろ?嫁さんやったら、頼みづらいでぇ(笑)」
「ま、そりゃそうなんやけどさ」

「用事を母ちゃんに頼まれるやろ?1つ2つなら覚えれる。3つ以上になったら覚えれん」
「書いとくだわね~。私らでも、買い物とか書いとくよ。忘れるもん」
「書いとけば忘れんけどな」
「そやろ~。でもさ、よく書いた紙を持って行くのを忘れるんさな(笑)」
「あんたらでもそうか?」
「あるあるやて。皆そう言ってるよ(笑)」

そういう会話をしながら治療した。


最終的には、歯医者から帰るときは、笑顔になっていてもらいたい~というのが私のモットーです。


by tamaki50 | 2017-06-21 10:47 | 診療室日記 | Comments(0)
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